関西弁

スティーブンズ・ノラ


平成10年4月10日、日本の滋賀県の彦根市の「ミシガン州立大学連合日本センター」で、卒業論文としてこのスピーチを発表しました。


この部屋にいるみなさんは関西弁をよく聞くはずです。それに、自分で使うことも少しはあるでしょう。でもこの話し方の起源や特徴が本当に分かりますか。

さて、起源から始めましょう。昔々、この関西という辺にはとっても親切な支配者がいました。この人は利口で気前がよかったです。欠点はたった一つでした。舌足らずに話すことでした。でも人々は見習いたいほどこの人のことが好きだったのでだんだん 人々も支配者みたいに話すようになりました。舌足らずの発音のせいで、「せん」は「へん」になり、「だ」は「や」になりました。

ただの話だけかもしれませんが、これが関西弁の起源だそうです。

基本的な特徴はもう分かったと思いますが、復習になってもいいでしょう。前に述べたとおり、標準語と比べて、一番有名な違いは「だ」は「や」になることと「せん」と「ない」は「へん」になることです。それに、対になった子音の場合には、前の母音は子音の代わりに対になります。おまけに、母音は時々変わります。例えば、「かった」は「こうた」になることがあります。

こんがらがったでしょうか。でもその文法の違いだけではなく。言葉も違います。「ちがう」は「ちゃう」、「とっても」は「めっちゃ」、「本当」は「ほんま」になります。標準語では、「かしわ」は「オークトリー」ですが、関西弁では「かしわ」は 「チキン」という意味です。

面白いのは、標準語の男女の言葉は関西弁ではめちゃくちゃになります。女性達は「な」を使え、男性達は「わ」を使えます。関東と全然違います。

この辺の小さい町はすべて普通の関西弁を話しますが、大阪や京都は大阪や京都のしゃべり方があります。大阪のは商人(つまりお店を持っている人)の言葉が一般の人の話し方の中に入りました。「す」も時々消えるから「行きますか」は「行きまっか」になり、「そうですね」は「そうでんな」になります。京都は古くて文化の豊富な所だ から話し方はとっても上品です。でもこの大きい町が自分の特異な言葉を使うといっても、普通の関西弁の言葉や文法も使います。

関西人は自分の話し方を埃りに思っているらしいです。例えば、ほかの辺の人々は東京の市民と話す時、自分の話し方を捨てて、東京弁を話すようにしますが、関西人は絶対に東京弁を話しません。京都は東京より古くてたいした首都だったからかもしれません。

いつ関西弁が使えるのでしょうか。実は、いつでもいいと思いますが、日本人は外国人と話す時には関西弁をあんまり使わないらしいです。目上の人にも、関西弁を使う時は、やはりていねいな話し方をするべきです。話す時にも友達に手紙を書く時にも関西 弁はオーケーです。この頃私は関西弁が入ったポケベルの伝言さえもらいます。

自分の意見を最後に言いたいです。4年前、栗東町という滋賀県の町でホームステーイしました。その時以後、関西弁に強い興味がありました。言語学者なので、こういう「言語の現象」はとても面白いと思います。それに、私の考えでは、関西弁で話せば、優しくひびきます。またなんとなく楽でのんびりとしたしゃべり方だと思います。一方で、関東の人々はこの辺の話し方のせいで関西の人々はだるそうだと思うかもしれません。とにかく、私は関西弁が好きだから関西にいる限りなるべくよく使うつもりです。

ほな、またでんな。


nora@heathens.co.nz